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C.F.MartinのDタイプとOタイプのお話by MANZO

そんなこともうとっくに知っとるワイと言われそうですが、オヤジのギターうんちくをひとくさり。

Martinギターの代表モデルD-28。いわゆるウエスタン・スタイルのスタンダードとなった名器ですが、"D"は「ドレッドノート」の頭文字で、ドレッドノートとは第一次大戦当時の英国の大型戦艦の分類名称だったそうです。大きなボディの象徴ってことですかね。ちなみに、このドレッドノートに対抗してGibsonが発売したのが、そう「ジャンボ」の"J"シリーズです。

一方、E.クラプトンがあのアンプラグドの名演で使用して、爆発的に超人気モデルとなったOOO-28(トリプルオー28)は、「オーディトリアム(=劇場)」と呼ばれるやや小ぶりのくびれたボディで、フォークブルースなどフィンガーピッキング・スタイルに向いている、いわゆるフォーク・スタイルというタイプのギター。でも、"O"は、そもそも「オー」ではなく数字のゼロ"0"だという説が有力。オーディトリアムの頭文字は"O"じゃないから、それが由来でもないですしね。

そのほか、12フレットジョイントでなんともキュートなヴィンテージの"O"("0"?)シリーズ、一方最近では、先進技術を導入したオーケストラモデル"OM"などの新しいシリーズも加わっています。

いつの時代もアコースティック・ギターの最高峰に君臨してきたC.F.Martin。ほかにも「D-18 vs D-28」「憧れのD-45」なんて話もできそうですが、それはまたおいおい、ということで。

ビートルズのレコーディング本についてby Atsumasa

もうだいぶ前のことですが、ビートルズの書籍出版に関わったことがあるので、その本について紹介します。それは1990年に発売された「ビートルズ/レコーディング・セッション」という本で、原書(「The Complete Beatles Recording Sessions」)は1988年にイギリスで出版されました。現在の日本語版は改訂されていて、初版では省かれていたカラー写真や図版などが増え、「完全版」と銘打たれています。

この本は、著者のマーク・ルーイスンがアビィ・ロード・スタジオに残るビートルズのレコーディング・テープをすべてチェックし、関係者の証言を含めてビートルズのレコーディングの様子を1日ごとに記載したものです。内容的には非常にマニア好みのものです。「Besame Mucho」「Love Me Do」「P.S. I Love You」「Ask Me Why」の4曲を初めてレコーディングした1962年6月6日(水)から、フィル・スペクターが「The Long And Winding Road」「I Me Mine」「Across The Universe」のリミックスを完了させる1970年4月2日(木)までの貴重な、また非常に興味深いビートルズのレコーディング記録となっています。

ザ・ビートルズ レコーディング・セッションズ完全版
著者:マーク・ルーイスン
訳者:内田久美子
監修:宮永正隆
発行:シンコーミュージック・エンタテイメント

当時、私は版元とはライバル関係にあった出版社に在籍していたのですが、レコーディング専門誌の編集者をしていたことから、翻訳にあたり協力依頼の連絡があったのです。LPサイズの豪華ハード・カバー版の原書が発売されたことは知っていたため、その申し出にはビックリしましたが、たいへん嬉しいものでもありました。

またこの当時、『ULTRA RARE TRAX』というビートルズの海賊盤CDが出回っていたんです。初めて耳にするビートルズの未発表テイクが多数収録されたこのCDは、Vol.1からVol.6まで作られ、しかも音質も非常に良かったので、非常に驚いたものです。なんでも、1980年代半ばにEMIは『SESSIONS』というアウトテイクス集のアルバム発売を企画しましたが、メンバーの反対で実現しなかったそうです。そのときの販促用音源が流出したと言われているようです。のちにEMIは海賊盤に収録された曲をほとんど網羅した『アンソロジー』シリーズを正式にリリースします。

ところで、『ULTRA RARE TRAX』が最初に発売されたのは1988年、この本の原書が発売されたのも1988年。なんかタイミング良すぎですね。

ULTRA RARE TRAX Vol.1;
The Swingin' Pig

そんな背景もあり、翻訳版が出ることは個人的にも非常に興味があったので、即決で協力することにしました。オファーは、レコーディングの専門用語が出てくるため、そのあたりで協力してもらえないかというようなことだったと思いますが、ゲラをすべて見せてもらう方が早いだろうということをこちらから提案しました。量的には膨大で、校正には結構時間がかかったように記憶していますが、非常に興味深く読ませてもらいました。ビートルズ(特にジョン)がレコーディングにものすごく力を注いでいたことがよく分かりました。

あ、ちなみに、この作業はボランティアでした。本はいただきましたが、アルバイトではありませんよ。そこんとこ、念のために申し添えておきます。

結構分量のある本なので、頭から読んでいくのは大変かもしれませんが、好きな曲やアルバムをピックアップして少しずつ読んでいくと楽しいかもしれません。ポールのインタビューも掲載されています。

余談ですが、私、かつてアビィ・ロード・スタジオを取材させてもらったことがあるんです。それが何年だったかすぐに思い出せないのですが、大体1990年前後だったと思います。レコーディング機材は当然変わっていたのですが、Studio 1も2もビートルズがレコーディングした時とあまり変わってないですよ、と説明を受けました。コントロール・ルームではなく、スタジオ側のことですね。元々クラシックのレコーディングによく使われていたスタジオですから、スタジオ内は広く、天井も高くて、音響的にはライブな感じだったのが印象的でした。ここでジョンが床に寝転がって歌を録ったりしたのか…とか思うと、とても感慨深いものがありました。これは本当に忘れ難い記憶ですね。

初版の「ビートルズ/レコーディング・セッション」は店に置いてあります。ご覧になりたい方はご来店ください。お待ちしております。

Fender Stratocaster は私と同い歳by MANZO

エレクトリック・ギター永遠のモデル、フェンダー・ストラトキャスターが誕生したのが1954年、私と同じ誕生年なのです。

誕生当時は、スモールヘッド、メイプル1ピースネック、アッシュボディの2トーンサンバース、1ピースピックガードに3点PUスイッチという仕様、そしてひときわ画期的なシンクロナイズド・トレモロという最終兵器を搭載していたのでした。

写真はフェンダー・カスタムショップの1954年リイシュー・モデル。フォームフィット・ケースも忠実に再現。まさに垂涎ものです。

カリフォルニア生まれということもありカントリーやロカビリー系のギタリストが愛用していましたが、1960年代後半、ジミ・ヘンドリックスが登場し、その衝撃的なトレモロアーム奏法をきっかけに、アグレッシブなギタリストが使用するようになり、一躍ロック・ギターの代表モデルになりました。

その後、創業者レオ・フェンダーの手を離れCBSに売却されたり、さまざまなマイナーチェンジが施されるなどの歴史を経ていきますが、56年余が過ぎた今なお広く愛用され続けている、まさにエレクトリック・ギター永遠のモデルです。その辺のお話は、Rittor Music刊「フェンダー・ストラトキャスター」にとても詳しく載っています。興味がある方はぜひご一読を。